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「一絃の琴」
2016/01/05(Tue)
12月半ばから、この年末年始にかけて読んだ、宮尾登美子さんの「一絃の琴」。500ページにわたる長編で、かなり読み応えがありました。以前にテレビでドラマ化されたものを見ましたが、読んだのは初めてでした。

宮尾登美子さんは、あとがきで次のように書かれています。

「私が一絃琴をはじめて聞いたのは、忘れもいたしません。人間国宝の方の演奏に接したときでした。今まで土佐のことなら何でも知っているとうぬぼれていましたが、土佐にも私の全く知らない世界があり、こんな高雅な楽器がいまなお伝えられていたのには、驚きとともに深い感動を禁じ得ませんでした。」

その後、小説に書こうとして、何度も何度も書き直し、ついには一絃の琴を手さぐりで弾けるようになり、完成まで17年もの長い時間がかかったのです。まさに宮尾さんが情熱を注ぎ、手塩にかけた作品なのですね。



一絃の琴2



これが一絃の琴です。一本の弦を引き渡しただけの楽器。一絃の琴では、弾きながら唄うのが基本になっている。今の13弦の華やかな音色の琴とは比べものにならないくらい地味なものですが、何とか保存会などで伝えていってほしいものです。

物語は、明治、大正、昭和という長い時代の間、一絃の琴と共に生きた女性たちの人生です。

小さい頃に、旅の絵師の弾く琴に感動した苗の人生。まさに宮尾さんの世界が広がります。一絃琴に魅せられて苗が、盲目の師の弟子となるが、その後辛い思いをして、琴を封印してしまうんですね。

それでも一絃琴を忘れられない苗は、夫の協力を得て塾を開き、かなり隆盛します。そこに入門してくるのが、とても才能のある、華やかな蘭子という女性。この二人の信念の違い、対抗心、そして二人とも生涯一絃琴に情熱をかける姿などが、対比して描かれる。う~ん、すごい執念の世界。


ともあれ、You Tubeで一絃琴の演奏をご一緒に聴いてみませんか(ここ)。




一絃の琴




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コメント
- 読みました -
初めて聴く、一弦の琴の音に感動の涙を流す幼い苗でしたね。
かなり前に読んだのですが、私の読書感想文に「一弦琴は在原業平の兄、行平が須磨に流罪になった時、難破船の甲板の板から作ったのが始まりとされている」と記されてました。

「漁火」の歌の一節、「無明の夢やさめぬらむ」が妙に頭に残ったことが印象的でした。
2016/01/06 18:53  | URL | しいちゃん #vq.XT7B2[ 編集] ▲ top
- 難破船からとは! -
きっとしいちゃんさんはもうお読みになられたでしょう、と思っていました。
それにしても、難破船の甲板から作ったとはおどろき。慰めがほしかったのでしょうね。
ちょっと弾いてみたいな・・。

テレビドラマでは、苗が田中美里さん、蘭子が吹石一恵さんでしたね。
2016/01/06 21:58  | URL | レン #Kl26ezCs[ 編集] ▲ top
- 今年も宜しくお願いします -
一弦の琴、その音色が微妙~。一弦なのに合奏となると複雑な音の響きが物悲しく響きます。

先日、宮尾登美子のドキュメンタリーが2時間位放送されたのを録画してゆっくり見ました。物凄い人生だったのですね。貴方のお陰で興味深く見られました。またまた今年もいろいろ教えて下さい。楽しみにしています。朝ドラも。

私の新年のご挨拶や近況報告は例によってFBに投稿してありますので見て下さったら見たよサインの「いいね!」をして下さい。2月14日に昭和館で私は体調さえ良ければコーラス初デヴューするかもです。
2016/01/17 11:03  | URL | YOUTAN #J4C1C.n6[ 編集] ▲ top
- ありがとうございます -
YOUTANさん、こちらこそよろしくお願いいたします。お元気そうで、いろいろ楽しい話題が聞けそうですね。

申し訳ありませんが、私のFBは、当分の間closedとさせていただきますね。またメールなどさせていただきますね。
2016/01/17 14:09  | URL | レン #Kl26ezCs[ 編集] ▲ top
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